知らない世界

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友人から「毎日ワクワク」することの大切さ、というメールをもらった。ワクワク=期待や喜びと解釈した。
同じころ、茂木健一郎氏の「脳を活かす生活術」という本を読んでいた。それには「1日1回感激する」ことが大事(同氏は1日1回脳内バブルを起こせと記している)と書いてあった。

ここしばらく、期待や喜びや感激をほとんど感じられない生活が続いた。感激したのは郷里に帰省した時ぐらいだ。原因もなんとなく分かる。こんな生活のプロセスだから。

  • あらかじめほとんどのことが分かっており、普段の生活はその整理に追われる。
  • 分からないことが現れたら、分かるところまで分解し、その後整理する(これ問題解決の重要なプロセスなんだけど)
  • とにかく「物」と「情報」と「やる事」に追われ、その整理ばかりしている。 ((「物」「情報」「やる事」が多すぎるのがとにかく良くないのだ。だいぶ前、半日断食で食べるものを少なくしたらとても健康になり大変感激したものだ。現在タバコもアルコールも止めている。買い物を止めれば物は増えないし山に篭れば情報からも遠ざかれる。種田山頭火のように生きればよさそうだが・・・))

ところで先日、ある「社会的に大事なもの」(以下、Aとする)をなくすという失敗をしてしまった。

その日は休日。朝から長雨でたまった洗濯や布団干しなど「物」の片付けや手入れに追われ、近日行く家族旅行のための準備という「やる事」に追われ、休日のゆとりも、乾いた布団の気持ちよさも、旅行への期待さえまるで感じられなかった。その夜、やっとほとんどの物が整理できたと思ったとき、Aがなくなっていることに気づいた。

  • これだけの手間と神経を使って雑事と格闘している間に、社会的に無くしてはいけないAを無くした!
  • Aはとても大事なものだが、自分が大切にしているものではない。そもそも自分にとって大事なものが思い浮かばない!

何のために生きてる???

また暴れてしまった…。社会的な制裁は覚悟したが、こんな自分を助けて欲しかった。寝れなかった。

翌日、眩暈のため家内に最寄り駅まで送ってもらった。駅の終点から職場までの道を歩き、この街でひときわ大きな交差点の脇のウィンドウをふと見たとき、

・・・あった。

ほんの狭い窓枠の上に、これほど風に飛ばされやすいものはないというほどのAが、ちょうど下の写真の人形の前に乗っていた。

ここにあった!

この写真中央の人形の前に立てかけてあった。



きっとこの近辺で落としたが、偶然良い人に拾われここに置かれ、長時間風にも飛ばされず、捨てられもせずここにあったのだ。家内に連絡すると「きっと神様のお蔭よ」とのこと。

社会的に助かったと思った。自分は助けられたと思った。体のこわばりがだんだんと消えていった。
でも喜ぶことは出来なかった。唯々不思議で、不思議すぎて。

そのとき思った。期待や喜びや感激には縁遠くても、そもそも知らない何かに助けられる世界に暮らしているんだ、と。自分はその中で「たどり着けるかどうか分からない航海(マゼランな航海)」をしていたんじゃないか!

それから、歩くときは心の中で「ここは知らない世界」とつぶやいている。
きっとそのうち歩く先に期待し、喜びや感激に出会う機会も増えるのでは、と期待しつつ。

脳を活かす生活術
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3 どことなく既読感あり、でもすぐに忘れてしまいそう
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4 茂木流“脳を活かす●●●”本の読み方!


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