※注意:本投稿内容を参考に作業を行われ、如何なる損害が生じたとしても当方は一切責任を負いません。
「回るものは、音を出す。」
ここ1ヶ月程の間に、いろいろなPCのファンの回転音が原因と思われる騒音に対処した経緯を記します。
- ポリシー
ローコスト・ハイリスク
- 使用したもの
ドライバー、ラジオペンチ、スプレー式グリース(激安!下写真)
- ノートPCのCPUファン場合
まず最初に手当てを行ったのが、東芝SatelliteA11のCPUファンである。
同PCは、ファンが回り始めると「ガタガタ・・・」とものすごい音がするようになっていた。
ノートPCはメーカメンテ時のことを考えて設計されているのか、割と分解しやすい。今回のCPUファンにしても、PC裏のファン排気口付近のプレートのネジを外すと簡単にファンにたどり着いた。
このCPUファンは、ファン(軸)とモータ(軸受け)が連結されていない(磁力で引き合い1体になり、金属蓋で分離を防いでいる)ので、簡単に分解できる。なので、ファンの軸と軸受けにグリースを注油した。
分解パーツを組み立てPCを起動すると、「サー」という風切り音以外の音が消えていた!「劇的ビフォア-・アフター」の結果となった。
- サーバPCのCPUファンの場合
サーバマシン:NEC PC-MA24VBZEC、CFUファンの回転による振動で、ビビリ音が発生していた。ヒートシンク周りには鉛シートを貼り付け振動対策をしたが、あまり効果なし。同マシンは省スペースPCのため、CPUファンも特殊、4cmファンを2連装、ヒートシンクにねじ止めしてあった。このファンに注油できないかいろいろ試したが、分解出来なさそうだった。注油用に穴を持つファンもあるそうなので、注油穴 ((注油穴を持つファンについては、「Datniodeath’s JUNK Labo」の本文中「~ちょいと目眩を覚えたが、冷静さを取り戻してファンを観察してみる。ん? ラベルとは反対側に、三つの穴が開いている~」に詳細あり))を自分で開けてしまうことも考えたが、サーバマシンのCPUファンなので、安易な加工でファンが故障をされては大変。ここはリスクを考え、下写真の静音ファンに換装することにした ((しかし、PC本体が7,380円に対し、ファン2個と2股電源ケーブルで2,610円の出資はアンバランスさを感じざるを得ない。無理やり分解すべきだったか・・・など未だに思っている))。
結果は、静音ファンゆえに振動が少なく、ビビリ音は大幅に減った。しかしまだ完全ではない。振動している部分(マザーボード?ケース?)を特定し対策をすればさらに改善が期待できそう。
- (余っている)PCケース用ファンの場合
使用していないが、回転時にシャリシャリと摩擦音がするケースファンがあった。静かになれば用途はあるので、グリース注油を試した。
このファンは、シールを剥がして軸に付いている固定用リングを外せば、ファン(軸)側とモーター(軸受け)側に分解できる。
しかし注油の甲斐なく、シャリシャリ摩擦音は改善しなかった。注油では改善できない軸の磨耗・変形などがあったのか?→破棄の予定。 - メインPC電源ファンの場合
これまでCPUファンやケースファンを分解してきたが、今度は電源ファンである。
CPUファンに静音対策をしても、電源ファンがやかましくてトータルでPCがうるさいまま、ということがある。うちのメインPCもCPUファンには手当てしてきたが電源ファンは手付かず、最近では「カタカタ・・・」と何かに接触しながら回転しているような音が大きくなる一方だった。
電源ファンは、電源ユニットの中にあり、電源ユニットを分解する際に「品質保証シール」を剥がないとネジが外せなくなっている。つまり分解=メーカ無保証ということになるが、ここは「ローコスト・ハイリスク」のポリシーを貫く。電源ユニットが奥のほうにあるので、結局PCをほとんど分解することになった。注油するため、分解した電源から取り出したファンのシールを剥がして軸に付いている固定用リングを外す。このファンの場合、ファンのシールの下に、メクラ蓋 ((このあたりの構造は、「PC電源ファンの分解と掃除をしてみました。」に詳細あり。))がついており、それをはずすと固定用リングに到達した。ちなみに音の原因を調べてみたが、何かに接触しながら回っていた形跡が見つけられなかった。
まず下写真の箇所にグリース注油した。また、電源ユニットの共振しやすい場所を、指打診で調べて鉛テープで防振対策を行った。
振動音分解と同じ手順でPCを組み立て、電源を入れた。結果は「劇的ビフォア-・アフター」!「カタカタ」音が全くしない。一連のファン静音対策で最も大きな効果があったように感じられた。
このように、4パターンのファン静音対策を行ってきたが、構造の単純なファンに対してはグリース注油が大きな効果を上げることがわかった。この方法は大変コストが低い。しかし手間とリスクを覚悟しなければいけないので、各位自己責任にてご参考まで。